2015.08.28更新

相続放棄の手続は,放棄する相続人が,相続開始を知ってから3か月以内に,被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄申述書等の書面を提出する必要があります。相続放棄申述書の提出を受けた裁判所は,申述が方針にかなっていて,申述人の真意に基づくものであることを確認して,申述受理の審判を行います。

家庭裁判所から申述受理の審判を受けた場合,相続放棄を行った相続人は,その相続に関しては最初から相続人ではなかったものとして扱われます。そのため,相続放棄者の子や孫に代襲相続は行われず,遺産は残りの相続人で分割することになります。
なお,すべての相続人が相続放棄を行った場合は,相続人不在ということになります。

一度相続放棄の申述を行って,家庭裁判所から申述が受理されたら,原則として相続放棄の撤回はできません。そのため,相続放棄後に多額の財産が出てきたとしても相続放棄を撤回することはできません(詐欺、脅迫などの特別な理由がある場合は撤回できる場合がありますが,きわめて例外となります。)。
このように相続放棄の撤回は一度行うと難しいものになりますので,相続開始から3か月間の熟慮期間(相続人から家庭裁判所に請求することで熟慮期間の身長が可能ですが,必ずしも認められるとは限りません。)に慎重に財産調査を行うことが重要になります。

投稿者: 吉川綜合法律事務所